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緊急時に知っておいてほしいこと

済生会熊本病院 救急総合診療センター 前原 潤一先生

救命救急医からのメッセージ

緊急とは、動けないくらいひどい腹痛、声がかれてだんだん苦しくなりそうな時などを指します。この時に備えて、主治医と緊急の対応を話し合って、緊急時連絡カード(病歴、治療法、連絡先)を常に持ち歩くことが大切です。旅行や出張では必ずカードを携行して、事前にウェブサイトの医療機関検索に掲載されている周辺の情報をメモしておきましょう。そのほか、主治医からの紹介状を携行したり周囲の人に伝えておくことで、スムーズに治療が受けられるコツです。

咽頭や喉頭が腫れると空気の通り道となる気道をふさいでしまうので呼吸苦になります。ひどく腫れると呼吸ができなく命に関わります。こんなに危険な状態では、患者さんご自身での対処は難しいです。
喉の腫れぼったさ、息のしずらさなどの違和感を感じたら、直ちに救急車を呼んでください。そこで緊急カードが搬送先を決定する事にもなります。緊急対応ができる救急病院や救命救急センターであれば救命にとって第一です。
喉頭浮腫が進行している場合、気道の確保が優先されます。マスクによる補助呼吸や経口挿管*、それが困難な場合は緊急で気管切開(頸に穴を開ける手術)を行うこともあります。こうした侵襲的な処置を回避するのはC1インヒビター補充療法です。そのためにもHAEに対応できる病院をあらかじめ把握しておくことが、望ましいことです。

*挿管チューブという管を口から入れて肺までの通り道を確実につくる

救急治療

お腹の痛みが激しい場合、息が苦しい場合に備えて、受診する医療機関を知っておくことが大事です。 
救急外来をどのタイミングで受診すべきかの判断に迷うことがあるかもしれません。特に息苦しい場合はすぐに救急車を利用し緊急時連絡カードを提示することで、気管挿管や気管切開などの処置が速やかに必要な場合には、C1インヒビター補充療法が行われます。